「レセプト点検って、どの診療科でも同じでしょ?」
そう思われがちですが、実は診療科ごとに見るポイントは全然違います。
私は大学病院の医事課で22年間、外来レセプトの点検を担当してきました。担当した科は、内科・外科・小児科・心臓外科・脳神経外科・メンタルヘルス科・眼科・女性診療科・救命救急科の9科。科が変わるたびに「えっ、こんなに違うの?」と驚いた経験から、科別の特徴と点検のコツをまとめます。
外来レセプト点検の仕事とは?
医事課のレセプト担当の仕事は、ざっくり言うとこの流れです。
- 診療内容と病名の整合性をチェック(点検)
- 不備があれば医師や外来に確認・修正
- 月初にまとめてオンライン請求(電子レセプト提出)
- 返戻・査定があれば対応して再請求
このうち一番時間をかけるのが点検です。そして点検で「どこを重点的に見るか」は、診療科のクセを知っているかどうかで効率が大きく変わります。
診療科別・外来レセプト点検のポイント
小児科:公費との併用が最多
小児科のレセプトは、乳幼児医療(自治体の助成)や小児慢性特定疾病など公費併用のオンパレードです。受給者証の番号や有効期限の入力ミスは返戻に直結。年齢で変わる加算(乳幼児加算など)の確認も欠かせません。
眼科:入院と外来の切り分けに注意
白内障手術を1日入院で行う病院では、手術は入院レセプト、術後の診察・検査は外来レセプトと算定が分かれます。術後の点眼薬や検査をどちらで算定するか、切り分けを間違えると査定の原因に。左右どちらの眼かの記載も要チェックです。
メンタルヘルス科:自立支援医療が中心
自立支援医療(精神通院・法別番号21)の患者さんが多く、受給者証の指定医療機関・上限額管理の確認が日常業務になります。通院精神療法の算定要件(診療時間など)も点検の重要ポイントです。
女性診療科:保険と自費の混在
妊婦健診などの自費診療と保険診療が混在する科です。同じ日の診療でも保険と自費を正しく分ける必要があり、ここを誤ると患者さんへの請求金額そのものが変わってしまいます。
内科:慢性疾患の管理料と検査の妥当性
特定疾患の管理料や、長期通院の患者さんの定期検査が中心。病名と検査内容の整合性(この病名でこの検査は妥当か)を見る目が一番鍛えられる科だと思います。循環器・消化器・呼吸器など領域ごとの特徴をつかむのも大事です。
外科・脳神経外科:外来処置の算定
外来で行う縫合などの処置・小手術の算定が中心です。処置の部位・範囲と算定項目が合っているか、使用した材料の請求漏れがないかを確認します。
心臓外科:術後フォローの検査
外来では術後フォローの診察・検査が中心になります。定期的な検査の算定ルールと、病名の経過(術後何年か)との整合性がポイントです。
救命救急科:時間外・救急加算
時間外・休日・深夜の加算、救急医療に関わる加算の確認が最重要です。受診した時間と加算が一致しているか、処置のボリュームが多い日のレセプトは特に丁寧に見ます。入院せず外来で完結したケースの算定も意外と複雑です。
9科を担当して気づいた、共通する点検のコツ3つ
- 病名と診療内容の整合性をまず見る──どの科でも、返戻・査定の最大の原因は「病名漏れ」と「病名と処置・検査の不一致」でした。
- 公費・受給者証は科ごとの「定番」を覚える──小児科なら乳幼児医療、メンタルヘルス科なら自立支援。科ごとのパターンを知っていれば確認が速くなります。
- 加算の取り漏れは「時間」と「年齢」を見る──時間外加算・乳幼児加算など、取れるはずの加算の漏れは病院の収益に直結します。
▶あわせて読みたい:レセプトとは?正式名称・意味・仕組みをわかりやすく解説
まとめ:診療科のクセを知れば、点検は怖くない
- レセプト点検のポイントは診療科ごとに大きく違う
- 公費・入外の切り分け・自費混在・加算など、科ごとの「定番」を押さえる
- どの科にも共通するのは「病名と診療内容の整合性」
これから医療事務を目指す方も、配属が変わって戸惑っている方も、「科ごとにクセがある」と知っているだけで点検の見え方が変わるはずです。


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