法別番号一覧【2026年版】公費負担者番号の読み方と窓口での確認ポイント

医療事務の基礎知識

受給者証を出されて、番号の頭2桁を見る。「これ、何の公費だったかな」——窓口に立っていると、必ず出てくる場面です。

この頭2桁が法別番号(ほうべつばんごう)です。これさえ読めれば、どの制度に基づく公費なのかがその場で分かります。

大学病院の外来で医療事務として22年、毎日この番号を見てきました。この記事では、一覧表と、番号を知っているだけでは足りない窓口での確認ポイントをまとめます。

公費負担者番号8桁の読み方

まず番号の構造です。公費負担者番号は8桁で、4つのブロックに分かれています。

位置桁数内容
1〜2桁目2桁法別番号(制度の種類)
3〜4桁目2桁都道府県番号
5〜7桁目3桁実施機関番号
8桁目1桁検証番号

たとえば 54131234 なら、頭の「54」が指定難病、次の「13」が東京都、という読み方になります。

都道府県番号は北海道から沖縄まで、住所の並び順です。受給者証を発行した自治体を表すので、患者さんの現住所と違うこともあります。

ここで1つ注意があります。都道府県番号は「01〜47」だけではありません。北海道は「01又は51」、東京は「13又は63」というように、各都道府県に50を足した番号も割り当てられています(沖縄なら47又は97)。

50番台・60番台の番号を見て「一覧にない」と焦らないでください。同じ都道府県です。

法別番号一覧(公費負担医療)

厚生労働省の「保険者番号、公費負担者番号…設定要領」に基づく一覧です。番号順に並べています。

番号制度根拠法
10結核患者の適正医療感染症法
11結核患者の入院感染症法
12医療扶助生活保護法
13療養の給付戦傷病者特別援護法
14更生医療戦傷病者特別援護法
15更生医療(自立支援医療)障害者総合支援法
16育成医療(自立支援医療)障害者総合支援法
17療育の給付児童福祉法
18認定疾病医療原爆被爆者援護法
19一般疾病医療費原爆被爆者援護法
20措置入院精神保健福祉法
21精神通院医療(自立支援医療)障害者総合支援法
22入院措置麻薬及び向精神薬取締法
23養育医療母子保健法
24療養介護医療障害者総合支援法
25医療支援給付中国残留邦人等支援法
28一類感染症等の患者の入院/新型インフルエンザ等感染症外出自粛対象者の医療感染症法
29新感染症の患者の入院/新感染症外出自粛対象者の医療感染症法
30医療の実施に係る医療の給付医療観察法
38肝炎治療特別促進事業/肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業(事業)
51特定疾患治療費、先天性血液凝固因子障害等治療費 ほか(事業)
52小児慢性特定疾病医療支援児童福祉法
53措置等に係る医療の給付児童福祉法
54特定医療費(指定難病)難病法
62定期検査費・母子感染防止医療費特定B型肝炎特別措置法
66医療費の支給石綿健康被害救済法
79肢体不自由児通所医療・障害児入所医療児童福祉法

※2026年8月時点。制度改正で変わることがあるため、実務では必ず最新の公式資料をご確認ください。

出典:厚生労働省ホームページ「診療報酬請求書等の記載要領等について」別添2・別表1(PDF)をもとに作成

法別番号一覧(医療保険)

保険者番号の頭にも法別番号があります。こちらは保険証を見れば分かる部分です。

番号制度
01全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
02船員保険
03日雇特例被保険者(一般療養)
04日雇特例被保険者(特別療養費)
06組合管掌健康保険(組合健保)
07自衛官等の療養の給付
31国家公務員共済組合
32地方公務員等共済組合
33警察共済組合
34公立学校共済組合/日本私立学校振興・共済事業団
39後期高齢者医療
63特定健康保険組合(特例退職)
67国民健康保険(退職者医療)
72〜75各特定共済組合(特例退職)

国民健康保険(市町村国保・国保組合)には法別番号がなく、保険者番号は6桁です。桁数が違うので、そこでも見分けられます。

👉 保険証の種類一覧|社保・国保・後期高齢者の違いと確認方法を解説

窓口でよく出会う番号は、実はそれほど多くありません

一覧を見ると数が多くて身構えますが、日常的に出てくるのは限られています。私が外来で見ていた印象では、頻度が高いのはこのあたりです。

  • 12(生活保護)
  • 21(精神通院医療)
  • 54(指定難病)
  • 38(肝炎治療特別促進事業)
  • 52(小児慢性特定疾病)
  • 19(原爆・一般疾病)

38の肝炎は、思っていたより多く出ます。B型・C型肝炎の治療を受けている方は継続通院になるので、同じ患者さんに何度もお会いすることになります。

逆に15・16(更生医療・育成医療)は、外来ではあまり見かけませんでした。手術や特定の治療に結びついた制度なので、扱う部署が限られるのだと思います。

つまり頻度は診療科と部署によってまったく変わります。一覧を頭から順に覚えるのではなく、自分の担当で実際に出た番号から覚えるのが、いちばん早い覚え方です。

👉 公費負担医療とは?種類と窓口での確認ポイントを元大学病院スタッフが解説

【重要】法別番号がない公費もあります

ここは間違えやすいところです。上の一覧に載っているのは国の制度です。ところが窓口に出てくる医療証には、自治体が独自にやっている助成も多くあります。

  • 子ども医療費助成(乳幼児医療)
  • ひとり親家庭等医療費助成
  • 重度心身障害者医療費助成

これらは地方単独事業と呼ばれ、番号の付け方も名称も自治体ごとにバラバラです。国の法別番号一覧を探しても載っていません。

「一覧にない番号だ」と焦る場面のほとんどは、これが原因です。自分の勤務先の地域でよく出る医療証は、地域版のメモを別に作っておくと早く慣れます。

ちなみに、こういうときに私が机の上で引いていたのが『保険者、公費負担者番号・記号表』という本です。国の制度も自治体の助成も、番号から引けるようにまとまっています。暗記するより、手元に1冊あるほうが早い種類の情報でした。

ほかに使っていた本は医療事務の机の上にあった本9冊にまとめました。

番号が読めても、確認すべきことは残ります

法別番号は「どの制度か」を示すだけです。実際にいくら負担してもらうかは、番号だけでは決まりません。受給者証で必ず見る項目は3つです。

  1. 有効期限 — 切れていれば公費は使えません。更新忘れは本当に多いです
  2. 自己負担上限額 — 所得区分によって変わります。管理票がある制度は必ず記入を
  3. 対象となる医療の範囲 — その疾病に関する医療だけが対象。別の病気での受診は対象外です

とくに3つ目は説明が難しいところです。指定難病の受給者証を持っている方が風邪で受診したら、その分は公費の対象外になります。「証があるのに、なぜ今日は引かれないの?」という質問は、必ず出ます。

もうひとつ、保険と公費の適用順序も間違えやすいところです。まず医療保険で給付し、残った自己負担に公費を当てるのが基本の流れ。複数の公費が重なるときは、さらに優先順位があります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 51と54はどう違うのですか?

A. どちらも難病に関わる公費ですが、根拠が違います。54は2015年1月に始まった難病法による指定難病の医療費助成で、いま新しく認定されるのはこちらです。

51は従来の特定疾患治療研究事業などで、54に移行しなかった一部の疾患や、血液凝固因子障害の治療費などが残っています。51を見かける頻度は下がっていますが、なくなったわけではありません。

Q2. 保険証に法別番号がありません

A. 国民健康保険(市町村国保・国保組合)には法別番号がありません。保険者番号が6桁なら国保、8桁なら被用者保険か後期高齢者、と見分けられます。

Q3. 一覧にない番号の医療証を出されました

A. 自治体独自の助成(地方単独事業)である可能性が高いです。子ども医療費助成やひとり親家庭等医療費助成などがこれにあたり、番号は自治体ごとに異なります。医療証の名称と発行元を見て判断してください。

Q4. 法別番号は暗記する必要がありますか?

A. すべてを覚える必要はありません。自分の担当科で出る番号から覚えれば十分です。私も22年働きましたが、めったに出ない番号は毎回調べていました。

それより大事なのは、「この番号は何か」をすぐ調べられる状態にしておくことです。手元に一覧を置いておけば、それで足ります。

まとめ

  • 公費負担者番号は8桁。頭2桁が法別番号、次の2桁が都道府県
  • 国民健康保険には法別番号がなく、保険者番号は6桁
  • 窓口で頻繁に出る番号は限られる。担当科で出るものから覚える
  • 子ども医療費助成などの自治体独自の助成には、国の法別番号がない
  • 番号が分かっても、有効期限・自己負担上限額・対象範囲の確認は必要

番号を覚えることがゴールではありません。患者さんに正しい金額をお伝えするための入口が、この2桁です。慣れるまではこの記事をブックマークして、窓口で使っていただければうれしいです。

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに、厚生労働省の番号設定要領を確認して作成しています。制度改正により変更される場合があるため、実務では必ず最新の公式資料および自治体の案内をご確認ください。

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