「レセプトを提出したら返戻が来てしまった…」「どこを確認すれば点検ミスを減らせるの?」医療事務の仕事で特に神経を使うのがレセプト点検です。私は大学病院の外来で20年以上、月最大6,000枚ものレセプト点検・作成に携わってきました。その経験の中で見えてきた「返戻・査定になりやすいポイント」を、今回は実践的にお伝えします。
そもそも「返戻」「査定」って何が違うの?
まず言葉の整理から。
・返戻(へんれい):審査機関(支払基金・国保連)から「内容に不備がある」として差し戻されること。修正・再請求できます。
・査定(さてい):「この請求内容は認められない」として、請求点数を削られること。原則として取り消しになります。
どちらも医療機関の収益に直結するため、提出前の点検が非常に重要です。私が担当していた外来では、月平均50〜80件の返戻・査定対応がありました。件数だけ見ると多く感じるかもしれませんが、6,000枚に対して1〜2%以下に抑えるのが現場の目標ラインでした。その水準を維持するために日々意識していたチェックポイントをご紹介します。
現場で実感した!ミスが起きやすい5つのポイント
① 保険証の確認漏れ
月初めに保険証の確認をしていなかったために、月末になって資格喪失が判明するケースが多いです。受付での「毎月1日確認」の徹底が基本中の基本。
② 病名と処方・検査のセット漏れ
例えば「血液検査を行ったが、対応する病名が傷病名欄に記載されていない」場合は査定の対象に。処方・検査ごとに「この病名で請求の根拠があるか」を意識して確認します。
③ 診療報酬の算定ルール違反
「初診料と再診料が同じ日に算定されている」「入院と外来が重複している」など、算定ルール上あり得ない組み合わせはシステムが弾いてくれることも多いですが、目視での最終確認が安心です。
④ 2年ごとの改定への対応遅れ
診療報酬は2年ごとに改定されます。改定直後の数ヶ月は、旧点数・旧ルールのままで請求してしまうミスが増えます。改定年の4月は特に重点的に確認しましょう。
⑤ 患者情報の記載ミス
氏名の漢字ミス、生年月日の誤り、保険者番号の転記ミスなど、一見地味なミスが返戻の原因になりがちです。特に手入力する項目は、確認を2回行う習慣をつけましょう。
点検を効率化するための3つの習慣
・チェックリストを作る: 診療科ごとに「よく返戻になる項目」をリスト化して、毎月の点検に活用する。
・返戻の記録をつける: 返戻が来たら原因と対応を記録しておく。同じミスを繰り返さないための最高の教材になります。
・改定情報をこまめにチェック: 厚生労働省や支払基金のウェブサイト、医療事務の専門誌から最新情報を取得する習慣を。
【まとめ】
レセプト返戻を減らすには「病名と算定のセット確認」「保険証の定期確認」「改定への迅速対応」の3点が特に重要です。ミスはゼロにはできませんが、チェックリストと記録の習慣で確実に減らすことができます。まずは自分の現場でよく起きるミスのパターンを把握するところから始めてみましょう!


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